今回は、ワンちゃんに多い「前十字靭帯断裂（ぜんじゅうじじんたいだんれつ）」についてご紹介します。
突然の足の痛みや歩き方の変化に気づいたとき、少しでも不安を減らせるように、ぜひ最後まで読んでみてください。
🐕 前十字靭帯ってどこにあるの？
前十字靭帯は、膝関節の中にある大切な靭帯で、太ももの骨（大腿骨）とすねの骨（脛骨）をつないでいます。膝が前後にズレないように支える役割があり、歩いたり走ったりするたびに働いています。
⚠️ 断裂するとどうなるの？
靭帯が切れると、膝が不安定になり、次のような症状が見られます：
- 急に片足を浮かせて、体重をかけなくなる
- 動きたがらない、元気がない
- 膝を触ると痛がる、腫れている
特に肥満傾向のワンちゃんに多く見られます。
🩺 治療法は？
前十字靭帯は自然には元に戻らないため、手術による治療が基本となります。代表的な方法は小型犬に適している「Lateral Suture（関節外制動術）」や、活発な大型犬に適している「TPLO（脛骨高平部水平化骨切り術）」などがあります。術後はリハビリや生活環境の見直しも大切です。飼い主様と一緒に、ワンちゃんの回復を支えていきます。
🏡 おうちでできる予防とケア
- 体重管理：肥満は膝への負担を増やします
- フローリング対策：滑りにくいマットを敷く
- 激しい運動のコントロール：ジャンプや急な方向転換は控えめに
🐾 最後に
「うちの子が急に足をかばうようになってしまった…」そんなとき、飼い主様はとても不安だと思います。でも、早めの診断と適切な治療で、また元気に歩けるようになるケースはたくさんあります。
当院では前十字靭帯断裂の手術実績がございますし、手術だけでなく術後のケアや飼い主様へのサポートも大切にしています。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
