「白内障と診断されたけれど、点眼薬で治せませんか?」
「サプリメントで進行を止められますか?」
診察でも、このようなご質問をいただくことがあります。
手術と聞くと不安になるため、まずは点眼薬やサプリメントで治療したいと考えるのは自然なことです。
今回は、犬の白内障に対する点眼薬やサプリメントの役割について、ご説明します。
点眼薬で白内障は治る?

結論からお伝えすると、現在のところ、白内障を元の透明な状態に戻せる点眼薬はありません。
白内障は、水晶体が白く濁る病気です。一度濁ってしまった水晶体を点眼薬だけで透明に戻すことはできません。
そのため、視覚回復を期待できる治療法は白内障手術のみとなります。
点眼薬は意味がないのでしょうか?
「治らないなら点眼は不要ですか?」と思われるかもしれません。
実際には、点眼薬には大切な役割があります。
白内障に伴う炎症(ぶどう膜炎)を抑えたり、目の状態を良好に保つために処方されることがあります。「目を守るための薬」です。
また、犬の白内障ではピレノキシン点眼薬が使用されることもあります。 犬で白内障の進行を確実に抑える効果は十分には証明されていませんが、進行抑制を期待して使用する施設や眼科専門施設もあります。
そのため、症例によっては点眼治療を行いながら経過を観察することもあります。
ただし、一度白く濁った水晶体を透明に戻すことはできないため、視覚回復を目的とした治療は白内障手術が基本となります。
サプリメントは効果がありますか?
白内障用のサプリメントには抗酸化成分などが含まれているものがあります。進行抑制を期待して使用されることがありますが、その効果には個体差があり、犬の白内障に対する十分な科学的根拠は限られています。
そのため、補助的に使用することはありますが、サプリメントだけで治療が完結するものではありません。
大切なのは進行状況に合わせた治療です
白内障は進行すると、炎症や緑内障、水晶体脱臼などの合併症を起こすことがあります。
そのため、
- 今どの段階なのか
- 手術を検討する時期なのか
- 点眼で経過観察できる状態なのか
を定期的な眼科検査で確認することが重要です。
まとめ
- 白内障を治す点眼薬は現在ありません。
- 点眼薬には、炎症や合併症を抑えるための重要な役割があります。
- サプリメントは補助的な位置づけです。
- 視覚回復を期待できる治療は白内障手術です。
- 適切な治療時期を逃さないためにも、定期的な眼科検査をおすすめします。
当院では、白内障の進行状況を丁寧に評価し、それぞれのわんちゃん、ご家族に合った治療方針をご提案しています。
「点眼を続けているけれど、このままで良いのかな?」と気になる方は、お気軽にご相談ください。
ブルーム動物病院では、一般診療に加え、犬・猫の眼科診療に力を入れています。
福岡市早良区・西区・城南区を中心に、遠方からも多くの眼科疾患の診察を行っています。
このブログでは、飼い主様に分かりやすい情報発信を心掛け、犬・猫の眼の病気への理解を深めていただけるよう、さまざまなテーマをお届けしています。
「目が白い」「目やにが増えた」「目をショボショボする」「目が赤い」など、気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
ブルーム動物病院 院長・獣医師



