「白内障と診断されたけれど、すぐに手術を受けた方がいいのでしょうか?」
診察で最も多くいただく質問の一つです。
白内障は、診断されたらすぐに手術が必要という病気ではありません。一方で、手術のタイミングを逃してしまうと、合併症のリスクが高まり、手術が難しくなることもあります。
今回は、犬の白内障手術を検討するタイミングについて分かりやすく解説します。
白内障と診断されたら、すぐに手術が必要?

【初発白内障】
初期の白内障です。視力への影響が少ないことも多く、
定期的な眼科検査を行いながら経過を観察します。
白内障と診断されても、すべての犬がすぐに手術を受けるわけではありません。
初期の白内障では視力が保たれていることも多く、日常生活に大きな支障がない場合もあります。
この段階では、定期的な眼科検査を行いながら進行の程度を確認し、最適なタイミングを見極めることが大切です。
手術を検討するタイミングとは?

【未熟白内障】
水晶体の濁りが広がってきた状態です。
視力低下が始まり、手術を検討する時期になることがあります。
白内障が進行すると、水晶体の濁りが広がり、視力が低下してきます。
物にぶつかることが増えたり、暗い場所を歩きたがらなくなったりするなど、生活への影響が見られるようになることもあります。
また、この時期は手術成績が比較的良好とされることが多く、全身状態や眼の状態を評価したうえで、手術を検討するケースがあります。
手術を急いだ方がよいケース

【成熟白内障】
水晶体全体が白く濁った状態です。視力低下だけでなく、ぶどう膜炎や緑内障などの合併症のリスクも高くなるため、早めの評価が重要です。
成熟白内障では、水晶体全体が白く濁り、視力低下が進んでいることが多くなります。
さらに白内障を放置すると、過熟白内障となり水晶体起因性ぶどう膜炎や緑内障などの合併症が起こることがあります。
合併症が進行すると、手術そのものが難しくなったり、術後の視力回復が期待しにくくなったりする場合もあります。
そのため、「見えなくなってから手術を考える」のではなく、眼科検査を受けながら適切なタイミングを相談することが重要です。
手術を受ける前に確認すること
白内障手術では、眼の状態だけでなく、全身の健康状態も確認します。
また、網膜の機能が保たれていることや、他の眼疾患が隠れていないかなども重要なポイントです。
手術の適応はその子によって異なるため、眼科検査の結果をもとに総合的に判断します。
まとめ
白内障は、診断されたらすぐに手術が必要という病気ではありません。
一方で、手術のタイミングが遅くなると、合併症によって治療が難しくなることもあります。
「まだ見えているから大丈夫」と判断せず、定期的な眼科検査を受けながら、愛犬にとって最適なタイミングを一緒に考えていきましょう。
次回は、「犬の白内障は点眼で治る?サプリメントは効果がある?」について解説します。
ブルーム動物病院では、一般診療に加え、犬・猫の眼科診療に力を入れています。
福岡市早良区・西区・城南区を中心に、遠方からも多くの眼科疾患の診察を行っています。
このブログでは、飼い主様に分かりやすい情報発信を心掛け、犬・猫の眼の病気への理解を深めていただけるよう、さまざまなテーマをお届けしています。
「目が白い」「目やにが増えた」「目をショボショボする」「目が赤い」など、気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
ブルーム動物病院 院長・獣医師



