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2026.06.21

犬の白内障を放置するとどうなる?失明だけではない合併症について獣医師が解説

 

「うちのわんこ、目が白くなってきたけど、高齢だから仕方ないのかな?」

「白内障と言われたけど、まだ見えているから様子を見ても大丈夫?」

このようなご相談を受けることは少なくありません。

犬の白内障は加齢とともに増える病気ですが、「目が白くなるだけの病気」ではありません。

進行すると視力が低下するだけでなく、眼の痛みを伴う病気を引き起こすこともあります。

今回は、犬の白内障を放置するとどうなるのかについて解説します。

 

犬の白内障とは?

 

 

【初期の白内障】

視力が保たれていることも多く、

飼い主様が変化に気付きにくい時期です。

 

 

白内障とは、眼の中でカメラのレンズの役割をしている「水晶体」が白く濁ってしまう病気です。

濁りが進行すると光がうまく通らなくなり、視力が徐々に低下していきます。

なお、「目が白く見える=すべて白内障」ではありません。

高齢犬でよくみられる「核硬化症」は加齢による変化であり、白内障とは異なります。

※白内障と核硬化症の違いについては、別の記事で詳しく解説しています。

 

放置するとどうなるの?

 

【進行した白内障】

白内障が進行すると水晶体全体が白く濁ります。

この段階では視力低下だけでなく、

ぶどう膜炎や緑内障などの合併症にも注意が必要です。

 

 

① 視力が低下し、生活に支障が出ることがあります

初期にはほとんど気付かれませんが、進行すると物にぶつかる、段差を嫌がる、夜の散歩を怖がるなどの変化がみられることがあります。

犬は嗅覚や聴覚が優れているため、飼い主様が気付きにくい場合も少なくありません。

 

② 水晶体起因性ぶどう膜炎を起こすことがあります

白内障が進行すると、水晶体の中の成分が漏れ出し、眼の中に炎症が起こることがあります。

これを「水晶体起因性ぶどう膜炎」といいます。

眼が赤くなる、痛がる、まぶしそうにしょぼしょぼするなどの症状がみられ、放置すると視力に影響することがあります。

 

③ 水晶体脱臼を起こすことがあります

進行した白内障では、水晶体を支える組織が弱くなり、水晶体が本来の位置から外れてしまうことがあります。

これを「水晶体脱臼」といいます。

脱臼すると急激に状態が悪化し、緊急治療が必要になることもあります。

 

④ 緑内障を発症することがあります

最も注意したい合併症の一つが緑内障です。

「緑内障」は眼圧が上昇し、強い痛みを伴う病気です。

一度失われた視力は回復が難しいことが多く、眼科では早期発見・早期治療が非常に重要と考えられています。

 

こんな症状があれば早めの受診をおすすめします

次のような症状がみられる場合は、一度眼科検査を受けることをおすすめします。

・目が白くなってきた

・物にぶつかるようになった

・暗い場所で歩きにくそう

・眼が赤い

・眼を痛がる

・急に元気がなくなった

これらには白内障だけではなく、他の眼の病気が隠れている可能性もあります。

 

当院で行う眼科検査

当院では、症状に応じて次のような検査を行っています。

・スリットランプ検査

・眼圧測定

・涙液量検査(シルマーティアテスト)

・フルオレセイン染色検査

・眼底検査

これらの検査を組み合わせることで、白内障の進行具合だけでなく、他の病気がないかも確認します。

白内障は早い段階で検査を受けることで、現在の進行度や合併症の有無を把握できます。

将来的に手術を検討する場合でも、眼の状態が保たれている時期から経過を確認しておくことが、その後の治療方針を考えるうえで役立ちます。

 

まとめ

白内障は「目が白くなるだけ」の病気ではありません。

進行すると視力低下だけでなく、ぶどう膜炎や緑内障など、眼に強い痛みを伴う病気につながることがあります。

「まだ見えていそうだから大丈夫」と判断せず、気になる症状があれば早めの受診をおすすめします。

次回は、「白内障手術はいつ受けるべき?手術のタイミング」について解説します。

 

 

ブルーム動物病院では、一般診療に加え、犬・猫の眼科診療に力を入れています。

福岡市早良区・西区・城南区を中心に、遠方からも多くの眼科疾患の診察を行っています。

このブログでは、飼い主様に分かりやすい情報発信を心掛け、犬・猫の眼の病気への理解を深めていただけるよう、さまざまなテーマをお届けしています。

「目が白い」「目やにが増えた」「目をショボショボする」「目が赤い」など、気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

ブルーム動物病院 院長・獣医師